日本航空電子工業は、MEMSセンサを使用した小型IMU(慣性計測装置:Inertial Measurement Unit)を開発し、1月からサンプル出荷を開始した。
今回開発したIMUはMEMSセンサを採用することで、小型・低価格・高精度を実現し、産業用途、民生用途など、新たな用途に活用が見込まれる。
近年の労働人口の減少により、特に建設や農業分野においては人材不足が深刻化し、省人化、自動化による作業効率の向上が求められる中、情報化施工、スマート農業などの新しい取り組みが加速している。こうした省人化、自動化のためには建設機械や農業機械などの、動き、姿勢、位置などの情報とそれに基づいた制御が重要になる。同社では従来から航空機用の高精度慣性航法システムを手掛けており、これらの技術を応用することで新しい用途に向けた取り組みを進めている。
今回開発したIMUは、産業、民生用途向けにMEMS3軸加速度計JA-70とMEMSジャイロを組み合わせることで、小型低価格を実現した。JA-70は既にインフラモニタリングなどでその性能の高さを実証されており、今回のIMUにおいてもその性能を生かし高精度化を実現している。今後、GPSと統合することで建設機械や農業機械などの位置情報を取り込み、さらなる省人化、自動化に向けた技術の進展へ貢献が期待される。今後顧客の意見を集約し、GPS情報を取り込んだGPS統合型IMUの開発を進めており、2018年以降の製品化を目指している。