日立製作所は、ICTを使った省エネ型下水処理制御システムを販売開始する。下水処理に使われる送風機の最適風量を予測・制御することで水質安定化と消費電力の低減、維持管理業務の軽減を実現する。下水処理施設では、下水中の窒素を除去する際、送風機により生物反応タンク内の微生物に空気(酸素)を供給し、アンモニアを硝化させる。下水の水質や量、微生物の活性度は時間帯や季節などによって変わり、従来は過剰に送風する傾向にあった。そのため電力消費量も大きく、送風機の省エネが課題となっていた。さらに、人手不足や料金収入の減少により、効率的な維持管理に対するニーズが高まっていた。
今回、下水処理に使用される送風機の最適な風量を予測・制御するシステムを開発。生物反応タンクの上流側と下流側に設置したアンモニアセンサーのデータから、目標とするアンモニアの除去に必要な風量を算出して制御。風量の演算には、処理したアンモニア濃度と供給した風量の関係を表した「処理特性モデル」を使い、実測値をもとに自動更新して必要な風量の予測精度を自動で維持し、処理特性の変化も見える化でき、維持管理業務の軽減を実現する。