少子高齢化対策、生産性向上に向けて、中小企業等で急速に関心が高まっている産業用ロボットだが、その一方で、現場へのロボット導入を担う「ロボットSI(システムインテグレータ)」の不足が深刻化している。経済産業省と日本ロボット工業会は2月24日、「ロボット導入促進のためのロボットシステムインテグレータ事業」について、最大5000万円の補助金交付を決定。事業者の公募を開始した。
全国9カ所で説明会
産業用ロボットは、それ自体は機能を持たず、用途や現場に合わせてハンドやビジョンといった周辺機器を取り付け、動き方のティーチング、安全対策を施さなければならない。そこには専門的な知識と技術が必要で、最適なロボットシステムの構想から設計、導入までを担うロボットSIと呼ばれる企業の役割が重要となるが、実際にはその数は少なく、普及拡大に向けたボトルネックとなっている。
今回の補助金事業の助成対象は、ロボットSIを始める、またはすでに行っている民間企業、民間企業等が協業してロボットSIを行おうとする連携体、ロボットSIと協業して導入提案を行う民間企業、地域でロボット導入提案を行う公設試験研究機関や地方公共団体など。
形式は3パターン。「ロボットSI事業参入・拡大型」は、ロボットSIを新たに行う、または事業拡大を目指す計画に対して最大1500万円を補助する。「ロボットセンター開設型」は、展示や実演など導入提案や、操作・安全教育や普及・啓発などの場を設ける計画に対して最大5000万円を支援する。「ロボットシステムのモデル構築型」は、モデル構築をして他の現場にも展開するツールをつくる計画に対して最大3000万円を補助する。
補助率は、中小企業は計画の3分の2以内、大企業は2分の1以内とする。
公募期間は、2月24日から3月31日まで。期間内に全国9カ所で説明会を実施する。詳細は日本ロボット工業会ホームページから
http://www.jara.jp/hojyo/sierkoubo.html