三菱電機は、FAとITを連携して製造業のソリューションを実現するエッジコンピューティングを核とした新しいソフトウェア・プラットフォーム「FA-ITオープンプラットフォーム」を提案すると発表した。生産現場(FAシステム)とバリューチェーン(ITシステム)を容易につなぎ、生産現場のデータの収集・分析・改善のシステムを短期間で構築できる。
新プラットフォームは、特定のメーカーにとらわれないさまざまなネットワークから収集したデータコレクト機能、生産現場の構成・状態を定義・整理して分かりやすく表現し、ビジネスシステムやアプリケーションが生産現場のデータを容易に扱えるデータモデル管理機能、OPC-UAをはじめとしたさまざまなクラウドと接続可能なゲートウェイ通信の3つの機能で構成。
これにより、ベンダーは開発者用サイトから自由に開発環境をダウンロードし、プラットフォーム上で動作するユーザー向けアプリケーションを開発可能になる。
しかも、プログラミングなどの専門知識がなくても、装置モデルの設計・管理やデータアクセスして、分析に必要なデータを簡単に選択でき、効率的なデータ分析を実現できる。
同社では、このプラットフォーム関連製品開発のツールとして、基本ソフトウェアやアプリケーション開発用インターフェース仕様書、および開発キット、データコレクター開発用インターフェース仕様書、および開発キットなどを今年10月以降順次発表していく。
将来的にはアプリストアによるダウンロードサービスも検討している。
同社の漆間啓常務執行役FAシステム事業本部長は「e-F@ctoryの推進の中で、自社の機器につながるだけではだめで、他メーカーの装置ともつながりやすくするために、今回のプラットフォームはもう一歩進めた形である。データコレクターなどの提供で囲い込みから脱していく」と語っている。