FA制御機器や重電機器の2017年度の出荷は16年度に続いて堅調な伸びが見込まれている。国内では人手不足に対応した生産効率向上投資や、東京オリンピック・パラリンピックなどに向けたインフラ投資、さらにはグローバルで取り組みが進むIoT化に絡んだ投資が見込まれ、海外も為替の安定化に伴う輸出の拡大に加え、中国市場の回復、北米市場での投資拡大など、先行きへの期待感が後押ししている。
日本電気制御機器工業会(NECA)の17年度出荷見通しは前年度比102.0%の6630億円で、過去最高であった14年度の6732億円に100億円差まで近づく。内訳は国内が3950億円(102.2%)、輸出2780億円(101.8%)。国内は上期を103.9%と高めの見通しで、昨年秋以降の回復傾向がしばらく続くと予測。設備の更新需要を中心に増加を期待するとともに、補正予算による経済政策や、東京オリンピック・パラリンピックに向けた投資も見込んでいる。輸出は昨年からの世界経済回復傾向で、アジアでの電子部品や自動車部品需要などの増加、米国の新政権政策への期待、円安傾向などを加味して、上期に104.4%と高めに予測している。
製品別では、操作用スイッチが105.1%と最も高く、続いて制御用リレー103.4%、PLC・FAシステム101.5%などとなっている。
なお、16年度の出荷見込みは前年度比102.4%の6597億円で、年度当初見通し額6630億円に対し、33億円足りなかった。制御用リレーを除く、全製品が前年を上回り、制御用専用機器が105.5%と最も伸びた。
一方、日本電機工業会(JEMA)の重電機器の17年度国内生産見込みは、前年度比106.4%の3兆7845億円と3年連続増加し、過去最高であった14年度の3兆8158億円に肉薄する。発電用原動機のボイラーなどが国内電力向けに大幅に増加し、126.6%の6128億円と伸長するほか、回転電気機械103.1%の9572億円、静止電気機械器具102.5%の7657億円、開閉制御装置103.7%の1兆4489億円となる。
また、回転電気機械のサーボモータが106.5%、開閉制御装置のPLC(プログラマブルコントローラ)103.7%なども高い伸びとなる。
16年度の生産実績見込みは、前年度比102.3%の3兆5564億円。
昨年秋以降、中国を中心としたアジアで設備投資の持ち直しの動きが見られたことを受けてサーボモータが102.9%と回復。閉鎖型配電装置はオリンピック・パラリンピックを見据えた大都市再開発の動きで増加し、PLCも生産設備投資の活発化などで111.9%と2桁の伸長を見せている。