ドイツ・ハノーバーで開催された世界最大級のIT関連見本市「CeBIT(セビット)2017」が3月24日に閉幕した。
今回は日本がパートナーカントリーとなり、日本パビリオンをはじめ日本企業118社が出展。さらに安倍晋三首相が会場を訪れ、メルケル首相と一緒に視察するなど、特別な展示会となった。
会期中の最も大きな話題は、第4次産業革命における日本とドイツの共同声明「ハノーバー宣言」の締結。昨年にも経産省の次官級で共同声明を締結していたが、今回は経産大臣、総務大臣が署名し、閣僚級の共同声明として格上げし、より連携が具体的で強固なものとなった。
協力内容として新たに9分野が具体化。①サイバーセキュリティ関連の国際標準化、②インダストリー4.0の横断的モデルをIECに提案する国際標準化、③データ自由流通原則の推進など規制改革、④IoT活用に秀でた中小企業の支援、⑤研究開発、⑥プラットフォーム、⑦デジタル人材の育成、⑧自動運転やコネクテッドなど自動車産業政策の協議、情報通信分野での協力などを進めていくという。
日立製作所がドイツのフラウンホーファ研究機構製造技術・自動化研究所とハンガリー科学アカデミー計算機自動化研究所との共同研究により、数量や加工条件などの重要情報を隠したまま、企業間でセキュアに生産設備を融通し合える技術を開発したと発表した。これまで製造業では、ピーク需要に合わせて各企業が自前で生産設備を確保することが一般的で、現在は設備稼働率やROAの低下が課題となっていたが、今回の技術開発により、それを一変させる可能性があるものとして話題となった。
またデンソーは、同社が目指すファクトリーIoTの姿を展示。最新のセンシング技術で設備やロボットのわずかな変化を検出する技術や、最新のロボット技術を紹介した。