産業革新機構 オスカーテクノロジーに出資 第4次産業革命自動並列化技術で加速

産業革新機構(東京都千代田区、勝又幹英代表取締役社長)は、ソフトウェアの並列化技術を提供するオスカーテクノロジー(東京都新宿区、小野隆彦代表取締役社長)への出資を決定した。また、既存株主であるデンソー、ウエルインベストメント、今回新たに経営共創基盤も同社への出資を決定している。

オスカーテクノロジーは早稲田大学で開発した逐次プログラムの自動並列化技術の商用化を目指して、2013年に設立されたベンチャー企業。

同社は単一コアで動作するプログラムを並列化することにより、処理速度の高速化、省電力化を実現する組み込み式の変換ソフトウェアを提供している。同社が提供するソフトウェアの最大の特徴は、独自のマルチグレイン並列化手法を実現し、既存の技術では実現できなかったプログラム全域の並列化を可能にした点。そのため、複雑なソフトウェアや多制御処理が必要とされる、車載や産業機械などの領域で利用拡大が見込まれる。

昨今ではソフトウェアの高度化が進み、一つの大規模集積回路の中に多数のCPUが搭載されたマルチコアの導入が加速している。それに伴い、コア数に見合った性能を引き出すプログラミングが必要とされており、自動並列化のニーズが高まっている。また、CPUのクロック数向上は現在の技術では限界に近づきつつあり、クロック数が2倍になると2の3乗(=8倍)もの電力を消費するため、省エネの観点からも、ますますマルチコアによる分散処理が注目を集めている。C言語で書かれたコードを入力し、並列化されたコードを出力するため、OSやアーキテクチャには依存せず、既存の開発環境をそのまま活用できる。

産業革新機構は、第4次産業革命を支えるロボットやAIなどの新産業の発展において、高性能なソフトウェアの必要性に伴い、同社の技術が産業の発展に寄与することを期待するとしている。

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