ヤマハ発動機IM事業部は2月28日、浜松市北区に新事業所を開設した。従来の約2倍となる生産スペースを持つ6万平方メートルの新工場で、生産能力は1.5倍に高まった。さらに、製造と販売、技術の融合を目指したオフィスと、工程や物流の流れを重視したレイアウトで効率化を実現。産業用ロボット、表面実装機の需要拡大を見込んで競争力を強化する。
これまで近隣3カ所に分散していた製造拠点を1事業所に集約。部品の納入から組み立て、試験、海外向けの梱包、出荷までの一連の工程を同事業所内で行えるようになった。また、従来の9080平方メートルから1万3781平方メートルへと生産スペースが拡大し、生産能力も向上。マウンターの年間生産キャパシティが1700~2500台だったものが、3200~4800台へと生産能力は86%もアップした。
また、オフィススペースについて製販技を一体化。製造、販売(営業)、技術部門が仕切りのないオープンフロアに同席し、部門や役職等を超えたコミュニケーションの活発化を通じてイノベーションにつなげたいとしている。
28日には、代理店や取引先等を招き、約200人が参加して落成式が行われた。あいさつした柳弘之社長は、リーマン・ショック後に戦略を見直し「技術の高度化と先鋭化」「世界に向けた販売体制の強化」「開発製造の一体化」を進め、さらに今回の新事業所発足により「ひと回り大きなビジネス基盤ができたと思う。ここ数カ月、世界から受注が増え、高度で付加価値の高い製品を届ける努力を続けていきたい」と話した。
IM事業部の2016年の売上高は469億円で、17年に500億円、18年600億円を目標としている。