ドイツのインダストリー4.0、アメリカのインダストリアルインターネット、中国の中国製造2025など、産業分野における第4次産業革命の動きについて、各国が具体的なコンセプトを決めて動いているが、日本はこれまでそれに比するものがなく、曖昧だった。しかしこのほど経済産業省は、日本産業が目指す姿として「Connected Industries(コネクテッド・インダストリー)」を発表した。
経産省によると、コネクテッド・インダストリーは「さまざまなつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会」のこと。
例えば、IoTでモノとモノがつながり、人と機械・システムが協働・共創し、さらに人と技術がつながって人の知恵・創意をさらに引き出す、国境を越えて企業と企業がつながる、世代を超えて人と人がつながり技能や知恵を継承する、生産者と消費者がつながり、ものづくりだけでなく社会課題の解決を図ることで付加価値が生まれる社会としている。
またデジタル化が進展する中、日本の強みである高い「技術力」や高度な「現場力」を生かした、ソリューション志向の新たな産業社会の構築を目指す。現場を熟知する知見に裏付けられた臨機応変な課題解決力、継続的なカイゼン活動などが生かる、人間本位の産業社会を創り上げるとしている。
そこには3つの柱があり、1つ目は「人と機械・システムが対立するのではなく、協調する新しいデジタル社会の実現」。AIもロボットも課題解決のためのツールであって恐れたり、敵視するのではなく、人を助け、人の力を引き出すため積極活用を図る。
2つ目の柱は「2・協力と協働を通じた課題解決」で、地域や世界、地球の未来に現れるチャレンジは、いつも複雑で、企業間、産業間、国と国がつながり合ってこそ解ける。そのために協力と協働が必要だとしている。
3つ目は、「3・人間中心の考えを貫き、デジタル技術の進展に即した人材育成の積極推進」を挙げている。