スイス・ABB社は、オーストリアのB&R社を買収することを決めた。今年夏頃までに買収を終える予定で、欧州ではシーメンスに次ぐ大きな産業機器メーカーが誕生する。買収価格は非公表。
B&Rは、インダストリアルオートメーションの大手メーカーで、産業用PC、モーションコントロール、PLC、HMI、統合安全技術で先進的な製品を販売している。設立は1979年。売上高は約6億ドル(2016年度)で、従業員数約3000人のうち、約1000人がR&D(研究開発)およびアプリケーション・エンジニアに従事している。
ABBは、電化製品、ロボティクス、産業オートメーション、送電など、工場から公共、交通、インフラなど幅広い分野で事業を展開している。売上高は約338億ドル(2016年度)で、従業員数約13万2000人。
ABBは、B&Rが強みを有する産業用オートメーション分野の強化に向けこの事業を社内に取り込むことで、測定、制御、アクチュエーション、ロボティクス、デジタル事業、電化事業に関するあらゆるテクノロジー、ソフトウェア・ソリューションを1社で提供できることになる。
B&Rはこれを機にIoTソリューションに対応した取り組みを強化し、中期的には売上高10億ドルを目指す方針。なお、ABBは東京都品川区に、B&Rは横浜市西区に日本法人がある。