日本電機工業会(JEMA)は、2017年度(第66回)「電機工業技術功績者表彰」の受賞者を決め、4月13日に経団連会館で表彰式を行った。
今年度は正会員企業40社から106件(201人)の推薦があり、最優秀賞1件(2人)、優秀賞3件(6人)、優良賞21件(39人)、奨励賞55件(104人)の、合計80件(151人)が受賞した。また、委員会活動については5件(96人)の推薦があり、優秀賞2件(23人)、優良賞2件(61人)が受賞した。
最優秀賞は「世界最高速エレベータの高品質な乗り心地を実現した先進モータ制御技術の開発」で、三菱電機の佐久間洋一氏と菅原正行氏が選ばれた。三菱電機は昨年の「世界最大出力のタービン発電機の開発」に続き、2年連続の受賞となった。
エレベータの超高速走行と高品質な乗り心地の両立へ、かごに設置した複数の加速度センサで高次の振動モードまで詳細に検出するとともに、かごに設けた12個のリニアモータを検出信号に基づき効果的に制御する多入力多出力系アクティブ制振技術を開発。さらに、すれ違い時の突発振動にも、3次元流体解析で加振力と周波数を推定して制振効果を高めた。
優秀賞の『重電部門』は、「5MWダウンウインド型風力発電システム」で日立製作所の舩橋茂久氏と渡邊昌俊氏、『家電部門』は「世界初
蚊取り機能付き空気清浄機」で、シャープの浦治久氏と坂口貴俊氏、『ものづくり部門』は、「家電製品への適用を目指した軽量新素材(PPFRP)成形技術開発」で、パナソニック和田智氏と原田一行氏が選ばれた。
委員会活動の優秀賞は、「高電圧インパルス試験のトレーサビリティ体系構築」で日本高電圧・インパルス試験所委員会と「パワーエレクトロニクス装置の通則的な規格の整備」でパワーエレクトロニクス技術専門委員会が選ばれた。
表彰式ではJEMA北澤通宏副会長から賞状と記念品が授与され、記念講演も行われた。