富士電機は、バーレーン王国の国営アルミ製錬企業であるアルミニウム・バーレーン(Alba)と、整流器「S-Former」6台をEPC(設計・調達・施工)で一括請負する契約を締結した。整流器の総出力容量は1354MWで、世界最大規模となる。
Albaは現在年間生産能力97万トンのアルミ製錬プラントを備えているが、新たに生産ラインを立ち上げて能力増強を行う。新ラインは2019年1月の運転開始を予定しており、これにより同アルミ製錬プラントの生産能力は、単一製錬プラントとして世界最大の150万トンに拡大する。
整流器は、アルミニウム、銅、亜鉛などの非鉄金属や苛性ソーダなどの精製工程の電源供給に使用され、交流の電気を直流に変換する役割を担う。今回受注した「S-Former」は中東、北米、オセアニア、中国、アジア、アフリカなど世界各地に納入実績があり、Albaにも04年に「S-Former」およびGISを納入している。累計出力容量は2万5000MWで、世界トップシェアの40%(直近2年間の累計では約1700MW/60%)を占める。
アルミ地金は、燃費向上やCO2排出量の抑制に向け、自動車や航空機の軽量化を図るための素材として需要が伸長している。同社では、アルミ製錬プラント向けに、整流器や変圧器、ガス絶縁開閉装置(GIS)など変電設備の受注拡大を目指すとしている。