オムロンは、機械学習型AIアルゴリズムを搭載したマシンオートメーションコントローラの開発を発表するとともに、FA機器へのAI/IoT技術搭載を2020年までに順次進める。熟練技術者が持つ知見や勘をAIに置き換えることで技術人材の不足や人件費高騰に悩む製造業を支援し、「機械が人の能力・創造性を引き出す」未来のモノづくり現場の実現に取り組んでいく。
同社は15年に10万点に及ぶFA機器を全てIoT対応するとして関連機器の発売を開始するとともに、AI搭載型モバイルロボットなどの各種産業用ロボットや世界最高水準のモーション制御技術を獲得し、グローバルに提供。また、今年4月には業界初となるAIを搭載した温度調節器を発売するなど、世界屈指の幅広いFA機器のラインアップにAIやIoT、ロボティクスなどの技術を組み合わせ、モノづくり現場の課題を解決するための商品や技術を強化してきた。現在は、オランダや中国、日本などの自社や顧客の工場の現場において、各種FA機器へのAIアルゴリズムの搭載や、生産現場でのIoT活用に向けた実証実験を進めている。
コントローラー開発
今回開発したコントローラも業界初のAI搭載型で、モノづくりの現場で生産ラインや装置を制御するプログラマブルロジックコントローラ機能と、AI処理機能を融合。同社が誇る幅広いセンシング機器群を用いて、マイクロ秒単位で刻々と変化するラインや装置の状態をリアルタイムに監視し、搭載したAIに学習させた「因果モデル」を基に、機械の「いつもと違う動き」を推定することで、異常が発生する前に安全に装置やラインを制御する。既に16年から一部の顧客に向けサンプル出荷を開始しており、現場での実証実験を重ね、装置の異常を推定・分析して因果関係の知見を高め、18年からのサービス提供を含めた商品化を目指す。