労働人口の減少と生産性向上の課題解決に対する産業用ロボット活用について、実際の現場へのロボット導入を担うロボットシステムインテグレータ(SI)の不足が問題となっている。それに対し経済産業省と日本ロボット工業会は、SI育成事業について補助金の交付を決定。その採択先37件を公開し、合わせて追加公募を受け付ける旨が発表された。
「ロボット導入促進のためのシステムインテグレータ育成事業」は、2017年2月の受付開始から3月末の受付終了までに344件の応募があり、37件を採択した。
育成事業は3つの事業を対象とし、ロボットSIを新規事業とする、または既存事業からの拡大を目指す計画「A・ロボットSI事業参入・拡大型」、ロボットの展示と操作や安全教育の場所や講習計画に向けた「B・ロボットセンター開設型」、汎用的な現場の課題解決のためのロボット活用法を考える「C・ロボットシステムのモデル構築型」に対し、最大5000万円(B類型)を交付する。今回採択された37件は、A類型が17件、B類型が12件、C類型8件となった。
採用された案件としては、例えば食品業界におけるおにぎりや惣菜具材、麺類やパン類のハンドリング向けの汎用的なロボット開発(A類型)や、ユーザー企業に持ち込んで出前の操作教育を行うことで導入促進を図る可搬式ロボットシステムの構築(A類型)、実際のロボットを見て触れる場がほとんどない中四国地方のものづくり支援のためのロボットセンター開設(B類型)、水産加工現場における魚の骨取り作業のロボットシステムの構築(C類型)など。
また、5月11日から6月30日まで追加公募を受け付ける。詳細は日本ロボット工業会ホームページから。http://www.jara.jp/hojyo/sierkoubo.html