横河電機は、電磁流量計の新シリーズとして「ADMAG Total Insight(アドマグ・トータル・インサイト)シリーズ」を5月15日から発売した。
同シリーズは、口径400ミリ以下の「ADMAG AXF」を刷新した口径500ミリ以下の「ADMAG AXG」と、従来の対応口径500ミリ~1800ミリを25ミリ~1800ミリに拡大した「ADMAG AXW」の2つで構成。価格は59万5000円から。海外を含め今年度2万台の販売を目指す。
新製品は、高精度、高耐食性が求められる用途に「ADMAG AXG」、水や水をベースとした流体を中心とした汎用用途に「ADMAG AXW」を用意。接液ライニング材質について「ADMAG AXG」は従来機種と同様、セラミックスやフッ素樹脂PFAを、「ADMAG AXW」は対応口径の種類を増やしたことにより25ミリ~400ミリの口径でもフッ素樹脂PTFEや天然硬質ゴムなどを選択可能。プロセスに応じた材質・精度の製品を選ぶことで初期導入費用を抑制することができる。
用途別に一般用、サニタリー用(食品・薬品用)、水中用(一時的な水没用)、危険場所用の防爆用(今年12月発売予定)などがあり、それぞれに多様な製品選択肢を用意。仕様の選定ツール(同10月公開予定)を利用することで、簡単に最適な機器の選定が可能になる。
また、パラメータは指定の値を設定して出荷し、現場で変換器の表示画面から対話形式で容易に変更することもできる。
さらに、流量計の状態を示す多彩かつ個別設定が可能なアラーム機能を装備し、機器の効率的な管理を実現。加えて、今回新たに搭載したデータロギング機能により、4種類の異なる出力信号の同時記録を可能にしたうえ、オプションのmicroSDカードを使用することでデータを取り出すことができ、不具合発生時の解析作業効率が向上する。
そのほか、運転中でも機器の健全性を総合的に診断することができる「健全性診断機能」を導入。機器が自ら磁気回路、励磁回路、演算回路、アラーム履歴などのチェックを行うため、保守コストの削減につながる。併せて、プロセスの異常を検出する「アプリケーション診断機能」も搭載。流体の気泡混入や流体の導電率低下などの異常を検知した場合には、アラーム発報の接点信号を出力させる。信号が安定しない場合には、パラメータの設定による細かな調整が可能。