横河電機は、レンジフリーコントローラ「FA-M3V(エフエーエムスリーブイ)」のデバッグ作業用に、シミュレーションソフトウエア「Virtual-M3(バーチャルエムスリー)」を開発し、5月17日から発売した。価格は、プログラム開発ツール「WideField3 R4」が15万円(バージョンアップは無償)、シミュレーションソフトウエア「Virtual-M3」が8万円、両方セットが16万円。販売目標は、2017年度海外を含め、「Virtual-M3」で100本。
Virtual-M3は、「FA-M3V」のCPUモジュールの動作を再現した仮想CPUと、FA-M3VのI/Oモジュールや制御対象機器の動作を再現した仮想I/Oで構成されたデバッグ環境を構築できる。これまで必要だったFA-M3Vの実機や制御対象機器を用意することなく、1台のPCで実機を用いた場合と同等の環境で制御プログラムのデバッグ作業を行うことができる。これにより、新製品開発のほか、稼働中の装置改造や不具合解析での、制御プログラムのデバッグ作業の装置停止が不要になる。
また、プログラマブル表示器用のアプリケーションソフトウエアや、装置の監視・制御ソフトウエア(SCADA)を同製品の仮想CPUと同じPC上で連携してFA-M3Vの制御プログラムをデバッグすることも可能。その際、表示器用アプリケーションソフトウエアのデバッグも同時に行うことができる。さらに、ステップ運転機能により、重点的に検証したいプログラム箇所を繰り返したり、命令・回路・スキャンの動作をステップごとに実行させたり、プログラムのスキップや再開を行うなど、実機では確認できないデバッグ・解析作業が可能になる。
加えて、FA-M3Vのプログラム作成、デバッグ、アプリケーション開発用ソフトウエアである、プログラム開発ツール「WideField3(ワイドフィールド3)」を、同製品とWindows10に対応。標準搭載しているLive Logic Analyzer(ライブロジックアナライザ)機能と同製品を組み合わせて活用することでプログラム実行状態をほぼリアルタイムに確認できるため、デバッグ・解析の効率がさらに向上する。