三菱電機は、定められた正常命令のルールから逸脱する通信をサイバー攻撃として検知する「サイバー攻撃検知技術」を開発した。電力、ガス、水道、化学、石油などの重要インフラの制御システムに、正常命令を装って被害を引き起こす巧妙なサイバー攻撃を、制御システムのリアルタイム性を確保しつつ検知することで、安定したサービス提供に貢献する。
同社は、重要インフラの制御システムが行う正常命令が、停止中・制御中・保守中などの運転状態によって異なる点に着目。運転状態ごとに許可される正常命令のルールを定め、運転状態に応じてルールを切り替えることにより、ルールから逸脱する通信をサイバー攻撃と検知する技術を世界で初めて開発した。
この新技術により、時間のかかる不審パターンとの照合が不要になり、制御システムのリアルタイム性を確保しながらの攻撃検知を実現。同社の想定する制御システムにおいて攻撃検知の処理性能を評価した結果、既存技術では2.44msかかる攻撃検知の処理を0.04msで処理可能であり、目標性能1.44msを満たすことを確認している。