LoRaの衝撃
今、無線通信の世界においては、LPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる長距離無線ネットワークが流行しています。
LPWAとは、省電力で通信可能な長距離無線規格の総称で、まさにIoT時代の無線方式と言えます。
中でも最も注目を集めている無線規格がLoRa Allianceが提唱するLoRaです。
LoRaは最大伝送速度は約250Kbpsと高速ではありませんが、最大通信距離は10キロメートルと非常に長い距離を通信可能です。
実際にLoRaは、さまざまな場面で利用されはじめています。
例えば畜産業において牛につけると牧場のどこへ移動してもリアルタイムに体温などのデータを監視することができ、出産などの傾向を緻密に迅速に分析することができます。また、河川や山の監視に関しても、数キロの通信が可能になれば中継機の数はかなり少なくなります。
このように、IoT市場への期待が集まる中、利用されるであろう技術である無線ネットワーク、センサ、制御デバイス、分散処理、人工知能などの技術は劇的に進化しつつあります。
新しい技術は企業にとって、これまでになかった製品やサービスを提供しブルーオーシャンを提供します。
具体的に何を開発し、何を提供するのか?
それは、企業がどのような社会を目指し、どのように貢献するのかという意味と同じことだと私は思います。
いもと・たかし
メディアスケッチ株式会社代表取締役。IoT検定制度委員会技術主幹。サイバー大学客員講師。サートプロ株式会社IoT技術講師。メディアスケッチ株式会社にて、IoTの技術コンサルタントとして企業のIoTプロジェクトの企画・推進、ベンチャー企業の育成支援を行っている。また、さまざまな企業と共同で新しい技術を取り入れた製品に関して共同研究開発を実施。サイバー大学、日経技術者塾、サートプロIoT講座などでIoTに関する技術教育を行う傍、全国にて企業のIoT推進や技術動向に関する講演活動も行う。