ラトックシステム(大阪市浪速区)とロームと立山科学工業、齊藤酒造、招徳酒造は、日本酒造りにIoTを活用する「酒造品温モニタリングシステム」の実証実験を実施している。
日本酒造りは杜氏の熟練の技と品温管理によって多くが決まるが、品温管理を24時間できるわけではない。それに対し5社は、酒造品温モニタリングシステム「もろみ日誌」を使い、酒造現場のIoT化を進める。
もろみ日誌はWindowsPC上で動作するアプリケーションとAWSクラウド・スマホアプリで構成。ローム製Sub-GHz通信モジュールを搭載した立山科学工業製の白金測温抵抗体品温センサをタンクに取り付け、一定時間ごとにセンサから送信される品温を自動計測してグラフ化。さらに警報設定範囲を超えたときにスマートフォンへのアラーム通知、スマホで撮影した状ぼう(もろみの泡の状態)写真をクラウド経由でアップロードする機能を備える。日々のボーメ度・アルコール度も手動入力し、日本酒造りのデータを見える化し、熟練の技を次の世代へ継承するための手助けを目指す。
今後、実証実験から得られたプロセスデータをベースにAI技術を使い、搾り時期やアルコール出来高の予測等を行っていく予定。