グローバルでものづくり革新への取り組みが強まる中で、経済産業省は日本の産業が目指す新コンセプトとして「Connected Industries」(コネクテッド・インダストリーズ)」を2017年3月に発表したが、ものづくりに関連する各工業会もこの構想にリンクする形で、対応を強めている。第4次産業革命の流れの中で、日本はつながることにポイントを置いて国際競争力を高めようとしている。
関連工業会 経産省の構想にリンク
日本電気制御機器工業会(NECA)は、17年度から新たに「ものづくり・ことづくり委員会」を設置した。NECAでは従来から3S(標準化・安全・環境)活動を進めてきているが、これをさらに進化させて「提供価値を製品主体からものづくり・ことづくりによるソリューション提供で付加価値向上を目指していく」取り組みを強めようというもの。
16年度には「第4次産業革命検討WG」を設置し、新しいものづくりの動きにNECAとしての考え方を検討してきており、その成果報告書「NECAが目指すものづくりの将来像~5ZERO マニュファクチャリング」を今年1月に発表している。
同委員会では、5ZEROマニュファクチャリングを具体的にどのように実現していくかの検討に着手しており、第1ステップ(17~20年度)と第2ステップ(21~25年度)に分けて進める。第1ステップでは、ものづくりのモデル化、セキュリティ推進、エネルギー最適化でリファンレンスモデルを構築。第2ステップでその実現に向けてさらなる進化を進める計画だ。
日本電機工業会(JEMA)は、「スマートマニュファクチャリング特別委員会」で検討を進めてきたIoTによる製造業の革新に向けた提言書「2016年版製造業2030」をまとめた。昨年の提言書をベースに、新たに市場環境に合わせて製造プロセスを組み替えてフレキシブルにビジネス環境を構築する「FBM」(フレキシブル・ビジネス・アンド・マニュファクチャリング)の考えを加えた。
「FBMアーキテクチャ」「制御盤2030」「製造業のサービス化」の3つのWGで検討してきたが、17年度は引き続き、実現に向けた具体的な活動を行っていく計画だ。