安川電機は、ACサーボドライブΣ-7(シグマ・セブン)シリーズに、世界で初めてGaN(窒化ガリウム)パワー半導体を搭載したアンプ内蔵サーボモータ「Σ-7Fモデル」を5月23日から発売した。価格はオープン。
体積比5割の小型化実現
新製品は、低損失なGaNパワー半導体採用で、高周波駆動でもアンプ部とモータ部の損失を低減し、入出力を高効率化。GaN材料を使用したパワー半導体は、Si半導体と比較して高温での動作が可能で絶縁破壊電界強度が高いうえ、SiCパワー半導体より飽和電子移動度および電子移動度が高いなど、高速スイッチング性能の面を含む優位性からパワー半導体としての応用が大いに期待されている。
また、サーボシステムの小型化高放熱構造の採用等によりアンプ部を小型化し、サーボモータへの内蔵を実現。多軸のサーボシステムにおいては、制御盤内にある複数台のサーボアンプがコンバータのみになり、従来のサーボパックのアンプ部と比べて体積比2分の1を達成、制御盤の小型化を可能にしている。
さらに、電源はマルチドロップ接続、指令はMECHATROLINK-Ⅲによるデイジーチェーン接続のため、配線総延長および配線スペースを削減できる。しかも、直流リンクで複数台接続が可能なことから、サーボモータを複数台使用する多軸システムでは、回生エネルギーを他のアンプ内蔵サーボモータで利用でき、省エネ化に貢献する。
可聴周波数域を超えた高周波駆動により、サーボモータから発する耳障りな高周波騒音を低減。その他、モータ部と同様にアンプ部も防水構造(IP67)のため、防水コネクタとの組み合わせで水を使う環境でも使用可能。