富士キメラ総研(東京都中央区)は、カメラやDVD/BDプレーヤーなどのAV機器をはじめ、白物家電、スマートデバイスやPCなどの情報通信機器、さらにはモビリティまで、多岐にわたるエレクトロニクス製品の世界市場を調査し、その結果を報告書「2017 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査」にまとめた。
調査期間は16年12月~17年2月で、AV機器8品目、白物家電6品目、情報通信機器11品目、モビリティ・産機6品目、車載電装機器5品目の計36品目と、ユニット製品・部品6品目について市場の現状を調査し、将来を予想している。A4判410ページで、価格は報告書12万円、CD-ROM付14万円、集計ファイルセット17万円、CD-ROMと集計ファイルのセット19万円。
中国から他アジアへの生産拠点の移転が進む
エレクトロニクス製品市場はこれまでスマートフォンがけん引してきたが、16年はスマートフォンの最大の需要地である中国で需要の伸びが鈍化したこともあり、市場は停滞。カメラやDVD/BD関連機器やPC関連製品などで縮小が予想される一方、ヘッドマウントディスプレイ、スマートウォッチ/ヘルスケアバンド、次世代自動車、ドローン、3Dプリンター、ヘッドアップディスプレイ、車載カメラ、車載用リチウムイオン二次電池などは拡大が期待される。
また、これまでエレクトロニクス製品は中国生産のウェイトが高かったが、中国経済の不調による内需の停滞や賃金の上昇、さらには関税対策などにより中国以外のアジアへの生産拠点の移転が増加している。需要の鈍化が見え始めている製品では生産コストを抑えるため、よりその傾向が顕著になっている。
なお、22年予測(16年比)では、スマートフォンは中国需要は鈍化もインドやアフリカでの増加に期待として、17億3700万台(17.4%増)、OA機器は各市場拡大するも中国での生産は縮小、一方で他アジアでの生産が拡大するとの見通しで、1億1963万台(1.6%増)としている。