富士電機機器制御(東京都中央区)は、業界最高の過電流耐量を実現し、車両の安全性向上に貢献する「密閉型高電圧コンタクタ(High Voltage Contactor)」を5月24日から発売した。今後、製品ラインアップを順次拡充していく。
事故や車両の不具合などにより、電路が短絡し過電流が生じるとコンタクタの接点部が磁力(電磁反発力)で浮き上がり、接点間に数千から数万Aもの大規模なアーク(放電現象)が発生する場合があるが、同製品は独自の接点構造で電磁反発力を相殺し、業界最高の2万Aの過電流耐量を実現。コンタクタの発火・破裂リスクを大幅に低減する。
また、電路を遮断する(接点を開く)際に発生するアークに対し、接点部を密閉構造とすることでアークの火花が外部に噴出することを防ぐとともに、塵の混入を防止。さらに、密閉した接点部に遮断性能を高めるガスを封入することで、気中遮断に比べて電気の遮断に必要な距離を短くし、車載用途に求められるコンパクトな製品サイズを実現している。
加えて、電路の遮断時に発生するアークを、コンタクタに内蔵している永久磁石の磁力で引き伸ばし消弧する際、電気を流す方向(充電時と放電時)により遮断性能が異なるという課題があったが、永久磁石の配置などを考慮し設計を行うことで、正逆両方向同一の遮断性能を実現。