EPLAN Software & Services(横浜市港北区)は、電気回路図の自動生成ができる「EPLAN Cogineer(イープラン・コージニア)」を6月30日から販売を開始する。
新製品は、電気回路図自動作成作業を進めるにあたってデザイナーとビルダーの2つの機能を使った全く新しいアプローチを採用している。
デザイナーは、電気回路のベースとなるマクロを定義し、データベースに保存、会社のレガシーやベテラン設計者のナレッジをデータ化する。また、ビルダーはデザイナーが作成したマクロが組み込まれたプルダウン式のメニューから必要要件を選択する。
既存のマクロライブラリに基づいたボタン操作だけで、回路図と流体設計を自動的に作成でき、Eplanを初心者でも、簡単に使える。電気設計現場では回路図のコピーアンドペーストや、使用部品を手作業で数え、部品表を作るなどという手作業がいまだに残っているが、新製品はコピーアンドペースト作業が不要なためこの時間が削減でき、ヒューマンエラーを防止できる。手戻りもなくなることで、1.5倍の設計効率向上が見込める。
さらに、部品表、ケーブルレポートなどもすべて自動で作成でき、 設計データはデジタル化されデータベースに統合されることで、全設計者が全員同じルール、データで設計作業可能になる。
配線自動化ソリューションも提供
一方、今年の設計・製造ソリューション展では共同でイタリアのコネクタメーカー、イルメ社と発表した「EPLAN Harness proD」は、装置間配線の最適化と短納期化を実現する最新ソリューション。
自動車や半導体などの最新の生産ラインでは各種工程間の協調が高度化しており、装置間制御通信の重要性が高まっている。こうした装置間配線での現在の課題として、①装置レイアウトがライン設計の最終段階で決定されることが多く、装置間配線は短納期での対応が必要②ライン内の余剰な配線はスペース上の無駄なだけでなく、安全上の課題となり適切な長さ設計が求められる、などが挙げられる。
同製品は、EPLAN Data Portalからダウンロードした必要な部品データを使って電気設計を行い、その部品と接続情報をハーネス設計に使用することでケーブルハーネスの効率的な設計を可能にする。EPLANの電気設計とハーネスデザインが連携により、手戻り作業の削減につながる。ケーブル製造指示書やネイルボード図面などの製造指示書も自動で作成されるため、製造工程へより早く移行できる。
具体的には、全ての設計データが1つのハーネスプロジェクト内で分かりやすく管理されており、3Dワイヤハーネスから2Dフォームボードダイアグラムを自動作成。しかも、ユーザー定義の材料・部品リスト、ケーブルダイヤグラム、時間、重量計算などが可能になっている。
イルメ社のコネクタは、自動車業界で標準採用されている欧州標準の角型コネクタ技術を採用しており、耐環境性に優れ、堅牢性・信頼性と、CE・UL・CCCなど世界中どこでも使える規格に対応している。
種類も1000以上のラインナップで、信号・動力・通信など幅広い用途に対応し、即納体制で短納期ニーズを実現している。