シーメンスPLM 新技術活用・推進が大切 デジタル化対応遅れ 存続に影響

シーメンスPLMソフトウエアは6月9日、年次イベント「Siemens PLM Connection Japan2017」を東京ヒルトンお台場で開催した。それに合わせ、グローバルセールス、マーケティング、サービス担当のロバート・ジョーンズエグゼクティブ・バイスプレジデントが来日し、最新のグローバル事業戦略とデジタライゼーションについて解説した。

ジョーンズ氏ははじめにアクセンチュアCEOの「2000年以降、フォーチュン500社の半数以上が消えた主な原因はデジタルにある」との言葉を引用し、デジタル化への対応の遅れが企業の存続に大きく影響することを指摘。失敗する原因として「デジタルを戦略の中心に置いていない」「サイロ化された技術に投資している」「現在の手作業を自動化するためだけにデジタルを利用している」「デジタライゼーションでなく、デジタイゼーションだと思っている」とした。

ついでアイデアを製品に落とし込む設計開発から、製品を作る製造、その後の利用まで、すべてのプロセスに対し新たなテクノロジーが登場し、手法が変革していることを示唆。このイノベーションプロセスに対し、こうした新技術を活用して進めることが大切であり、同社は全体を通じてソリューションをできる唯一の企業である。全体最適となるデジタライゼーションがイノベーションのライフサイクルを一変し、継続的なビジネス変革を企業にもたらすと話した。

同社はデジタル・エンタープライズ・ソフトウエアの領域で多くのツールを提供し、さらにメンターグラフィックを買収したことにより、完全デジタル化に向けたビジョンが完成したことを報告した。

ついで各プロセスに対する事例を紹介。

アメリカの化学メーカーのFMC社は、パイプ設計に「HEEDS」を使って解析を自動化。半分の時間で従来の100倍もの反復設計が可能になった。スポーツ用品メーカーのキャロウェイゴルフは、ゴルフクラブのプロトタイプ製造にプッシュボタンプロセスを導入し、反復設計の回数を2.5倍にした。

PCメーカーのデルは、Omneoを何百万件もの記録分析に活用。ファームウエアの問題特定の日数を15日から3日に短縮したことなどを紹介した。

また、デジタライゼーションをどう始めるかについて、既存の企業文化が変わること、トップが率先して進めることが肝要と話し、いずれ製品が変わることによって自然に変わっていくかもしれないとした。

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