NECA商社委 顧客満足度調査 価格対応から納期重視へ スマート工場化へも関心

日本電気制御機器工業会(NECA)商社委員会は、毎年行っている顧客満足度(CS)調査の結果をまとめた。この調査は制御機器などを扱っている商社が販売先顧客への意見を聞いているもので、1999年度から数えて今回で18回目。

今回も商社委員会に加入している11社から2300社にアンケート調査用紙を配布し、2057社から回答を得た。回収率は前回から1.5ポイント増加し、89.4%と過去最高を記録した。

アンケート項目は、毎回固定した質問と、その時々の話題を加えた質問で構成。

毎回聞いている「商社の選定基準」で、従来は1位であった「価格対応」(23.7%)が2位に下がり、トップには「納期調整力」(25.0%)と来て、今回初めて1位と2位が逆転した。スピードが価格を上回ったが、ネット販売などの台頭で納期重視の姿勢が表れたといえる。

また、ソリューション提案やシステム・モジュール販売などを重視する傾向が強まってきていることから、個別の製品価格が分かりづらくなってきていることも背景にはありそうだ。以下、メーカー連携力(12.8%)、メーカー営業担当者が信頼できる(9.0%)、取り扱い製品が豊富(9.0%)の順。

今回の調査では新たに「ⅠoTを含めたスマート工場への取り組み状況やその優先順位」について聞いた。

スマート工場を検討中、または取り組み開始の企業でその優先順位を聞いたところ、1位は「ロボット・AGVなどの導入」(18.4%)、2位が「収集データの解析ツール(予知保全・品質向上・稼働率向上)」(15.4%)、3位「ビッグデータ化(データ収集)の検討」(12.3%)、4位「製造データの生産計画などへの情報フィードバック」(12.0%)、5位「IO-Linkやその対応センサ」(11.6%)の順となっている。

しかし、約半数から7割の会社がこうした取り組みの予定がないと回答している。

こうした結果から、ⅠoTなどを活用したスマート工場への取り組みは、まだ話題先行の感は否めず、活用までは時間がかかりそうだ。

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