ティーチング時間を短縮
安川電機は、熟練を要する複雑な作業をロボット化するための手本をロボットに直感的に教える「実演教示機能」を開発した。
産業用ロボットは、プログラミングペンダントの装置を使ってロボットに動作を教示するのが一般的だが、ペンダント操作に不慣れな作業者は教示に時間がかかるとともに、力加減は教えることができないという課題がある。また、時間をかけて一品種の研磨動作を教示できたとしても、研磨するワークの形状はさまざまで、多品種に対応するのは極めて困難となっている。
今回開発した実演教示機能は、人が作業を実演している最中の手先の位置姿勢や力をセンサで計測し、その計測データをロボットの動作に自動変換することで動作を教示。研磨のようなワークの曲面形状に合わせた3次元的な軌道と力加減を短時間で簡単に教示できることなどから、多品種対応も容易になる。
また、人が練習を繰り返すことで上達するのと同様に、ロボットが自ら練習を繰り返して学習することで、教示した熟練作業者の力加減(スキル)を再現できる。さらに、生産ラインのレイアウト変更などによりロボットと研磨機の配置が変わったとしてもスキルを簡単に再現でき、短時間でラインを再稼働させることが可能。しかも、教示データは再利用性が高く、異なるロボットで共有することも可能となっている。
金属ワークの研磨やバリ取り、組み立てなどの複雑な接触作業に最適。