三菱電機は、2017(平成29)年度全国発明表彰において、同社小林信高氏と竹野祥瑞氏が「レーザー穴開け加工機用ミラー技術」で特許庁長官賞を、同出口学氏ら6人が「モーター偏心制御技術」で朝日新聞社賞を受けた。また発明実施賞を同社柵山正樹社長が受けた。
特許庁長官賞を受けた「レーザー穴開け加工精度を向上させる形状可変ミラーの発明」は、スマートフォン等に使用されるプリント基板の穴開け加工において、レーザー光を反射させるミラーの表面を変形させてレーザービームのゆがみを補正し、より小径で高密度の穴を開けた基板を量産できるミラー構造を発明。小型高機能化するスマートフォンの急速な普及やその他電子機器の量産に大きく貢献している。
朝日新聞社賞を受賞した「回転電機の偏心推定方法と偏心推定システムの発明」は、モーター(回転電機)の製造工程において、電圧を活用した測定技術でモーターの軸となる回転子を短時間かつ高精度にモーター中心部に位置決めする技術を発明。モーターの効率を3%向上かつ体積を15%減少させるとともに、位置決めにかかる測定時間を0.1秒に短縮し、より高効率のモーターの量産を実現した。この技術は現時点で同社換気扇に適用されており、今後は家電製品や車載機器などにも展開を予定している。