チノーは、従来のセンサに比べ、長寿命・高耐久性、高速応答を実現し、メンテナンスの手間を大幅に削減する「MEMS熱伝導型水素センサ」を、東北学院大学工学部の木村光照教授と共同で開発した。
今回開発した水素センサは、MEMS技術により基板の熱容量が小さい片持ち梁構造とし、温度変化や温度差を計測するのにたけている熱電対式温度センサを採用。わずかな温度変化を捉えることが可能となり、水素ガスの爆発限界以下の低濃度域(0~4%)で、測定精度±0.3%の検知能力を実現している。
また、同社独自の湿度補正技術を開発。湿度が存在しても水素ガス濃度の高精度測定を可能とし、湿度などのベースガスが一定な条件、いわゆる「インライン」での水素ガス濃度計測では、従来の熱伝導式水素センサが実現できなかった、測定分解能0.01%まで精度を高めることが可能となっている。
同水素センサは、水素ステーションや水素貯蔵施設、水素製造施設などの水素インフラにおける水素漏れ検知の他、エネファームや燃料電池車など、水素を利用する幅広い分野に利用することができる。