サトーグループのスペシャレース(東京都港区)と生野金属(大阪府高石市)は、インライン・デジタル・プリンティング(IDP)技術を活用した、ラベルの不要な18リットル缶(1斗缶)印刷技術「ラベレス」を、協業で開発した。
生野金属は、2018年4月の販売開始に向け、「ラベレス」の量産ラインの構築および、食油・食品分野をはじめとする顧客への営業活動を強化し、スペシャレースはIDPの販売拡大を進めていく。
同社のIDPは、特殊な感熱顔料を含む塗料をさまざまな素材に塗布し、レーザー照射により発色させることで印字ができる世界唯一の印刷技術で、顧客の製造ラインに柔軟に組み込むことができる。
「ラベレス」は、このIDPと、生野金属が持つ約70年の製缶事業の経験および缶容器への印刷技術との融合により開発。既存の設備の充填工程の中で、CO2レーザー印字機を活用し、登録したデジタル印字データを出力することで、ラベレスへ自由なダイレクトマーキングが可能となる。
ラベルの在庫が不要となることで、ラベル発注・検収や在庫管理業務、貼り作業を削減し、コストダウンと生産性を向上すると同時に、廃棄物も削減。また、可変情報(グラフィック、文字、2次元コードなど)を製造工程の最終段階で印字できるため、多品種少量生産へも有効に対応できる。さらに、CO2レーザー印字機は、基本的にメンテナンスが不要で、油の付着などの原因でラベルがはがれる心配も不要となっている。
なお、7月7日に東京国際フォーラムで開催される「ラベルフォーラムジャパン2017」で、サトーホールディングスの松山一雄代表取締役社長兼CEOが、「IoT時代のパーソナライゼーションを実現する、革新的なインライン・デジタル・プリンティング(IDP)」で講演する。