医薬・化粧品の最先端を公開
医薬・化粧品業界日本最大の専門技術展「第30回インターフェックスジャパン(医薬品・化粧品・洗剤研究開発・製造技術展)」(主催=リードエグジビションジャパン)を始めとする医薬・化粧品・飲料の専門展示会が、6月28日~30日の3日間、東京ビッグサイトで開催される。出展社数は5展で1860社。開場時間は午前10時~午後6時(30日は午後5時)、入場には招待券と名刺2枚が必要。会期中は6万3000人を超える来場が見込まれる。
専門4展同時開催 再生医療など注目
「インターフェックスジャパン」は、医薬・化粧品・洗剤を研究・製造するためのあらゆる機器・システム・技術が一堂に会する日本最大の専門技術展で、毎年、全国各地から医薬品・化粧品メーカーが多数来場し、同業界におけるビジネス拡大の場、新規参入の場として、商談が活発に行われる。
今回は「BIO tech」など関連の専門展4展を同時開催。先端バイオ技術や研究機器、バイオ医薬に関する開発・製造を含めた医薬・化粧品に関する基礎研究から、最新原料・製造装置までを一度に見ることができる。
注目は、臓器や組織機能を再建する医療技術である再生医療や、生物の持つ能力や性質を活用し、「健康・医療」「食」「暮らし」をより快適にするバイオに関する最新技術・製品など。また、医薬品・飲料業界でも、製造ライン物流工程の自動化や人手による作業ミス、微生物の混入リスク、高薬理活性医薬品を取り扱うことによる人体への曝露リスクなどを避ける目的で、ロボットが導入され始めており、同展にもさまざまな用途のロボットが多数展示される。
「第30回インターフェックスジャパン(医薬品・化粧品・洗剤研究・製造技術展)」には、初出展80社を含む750社が出展。「原料加工」「滅菌・クリーン化」「医薬・化粧品包装」「ラボ用測定・分析」など、分野ごとにゾーンを設置して展示を行う。毎回、会場には多数の実機が展示されることから、製品の実物を見て触りながら技術的な相談ができることが同展の魅力のひとつとなっており、今回も錠剤製造や包装、洗浄滅菌などの大型実機や製造ラインの展示が多数予定されている。
バイオ研究の成果を連日発表
「BIO tech 2017 第16回バイオ・ライフサイエンス研究展」は、ライフサイエンス分野の「研究機器」「試薬」「分析装置」「受託サービス」など、先端バイオ技術が並ぶ展示会で、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国、インドなど世界27カ国から510社が出展。会場内では110の大学・国公立の研究室が口頭発表やポスター展示を通してバイオ研究の成果発表を毎日行う「アカデミックフォーラム」も開催され、来場者と発表者の間で共同研究・技術移転・ライセンシングに関する打ち合わせが行われるなど、大学と企業間を中心とした実質的な産学連携・パートナリング案件が多数生まれる場になっている。
抗体医薬品の受託製造を紹介
「第1回バイオ医薬EXPO」には初回から150社が出展。バイオ医薬に関する「研究機器」「バイオリアクター」「エンジニアリング」「製造受託(CMC)」などの製品・サービスを展示する。バイオ医薬品の成長に期待が集まる中、体内に入った病原体などの異物を排除しようと働く「抗体」を主成分にした抗体医薬の関連製品・受託製造サービスと、バイオ医薬研究に欠かせない培養装置・培地関連するサービスに関する出展が特に注目されている。
原料選定などの技術相談を実施
「第11回医薬品原料 国際展(インファーマジャパン)」は、医薬・ファインケミカル開発のための原料に特化した専門展で120社が出展。「原薬」「中間体」「添加剤」「受託合成」「分析・合成機器/サービス」のサプライヤーが集結する国際専門展で、会場では「原料選定」「委受託」に関する商談や技術相談が活発に行われる。
「第2回ドリンクジャパン-飲料・液状食品[開発][製造]展-」は、飲料分野日本最大の専門展。前回の初開催で大好評を博し、今回は前回比150社増の330社が出展。「原料・素材・香料」「研究機器」「製造・充填設備」「ろ過・殺菌装置」「容器・パッケージ」「受託製造・OEM」などを展示する。
なお、東6ホールでは、日本初のAI専門展「第1回AI・人工知能 EXPO」が、同日程で開催される。初回からソニーやオムロン、日本マイクロソフトなど110社の有力企業が参加し、「ディープラーニング」「機械学習」「ニューラルネットワーク」「自然言語処理」「ハードウェア」「ビッグデータ」「AIアプリケーション」などの展示を行う。
注目は、人材不足解消・業務効率化を目的とした「はたらくAI」。インバウンド対応もできる接客・販売業向け会話型システムや、人の感覚を持った画像検査システム、居眠り運転を防止する「感性モジュールロガー」など、最新のAI・人工知能サービス・製品を紹介する。
中外製薬CEO招き基調講演
併設のセミナーでは、業界のキーパーソンが連日登壇。医薬品業界の最新動向を網羅、各社の戦略・開発事例などを知ることができる。
基調講演は、中外製薬の永山治代表取締役会長・CEOによる「グローバル化が進む医薬品産業と中外製薬の取組み」、ファイザー米国本社のRoger Nosalヴァイスプレジデントによる「ファイザーのグローバル成長への取組み~製造技術・規制対応を交えて~」がそれぞれ行われる。
その他、保冷輸送の品質管理、ビッグデータ・人工知能の創薬活用や、連続生産、多品種少量生産ラインなど製造工場の最新事例などさまざまな切り口の講演・セッションを実施。さらに、若手実務者のための医薬業界の基礎知識・スキルを高める基礎講座や、出展社による製品・技術セミナーも行われる。