TransferJetコンソーシアム(東京都港区)は、そのプロモータ企業であるソニー・日本無線・日本電信電話・東芝の4社と協力し、アメリカに本部を持つ電気電子学会IEEEにて規格化活動を行い、韓国ETRI(韓国電子通信研究院)の協力を得て、10Gbpsを超える超高速近接無線通信IEEE802.15.3eの国際標準規格化を完了した。
TransferJetコンソーシアムは、通信したい機器同士を直接かざすだけで通信が行えるTransferJet技術を適用した幅広いアプリケーションを開発するという共通の目標の下、国際的な企業が集まり2008年に設立した一般社団法人。規格策定、コンプライアンステストプロセス、ツールの開発のほか、TransferJetの概念、技術、アプリケーション、サービスを促進するためのマーケティング活動を行っている。なお、TransferJet規格は、ISO/IEC17568にも登録されている。
同規格では、これまでのコンセプトを進化させ、あらゆる「かざす」機会を大容量データの瞬時転送の機会ととらえる。TransferJetの特徴である簡単な操作性を維持しつつ、10Gbpsを超える超高速通信で、4K解像度やバーチャルリアリティの映像といった大容量データを瞬時に転送するうえ、通信開始までの接続時間は2msec以下と大幅な短縮を実現。改札ゲート通過時のコンテンツ配信など、新たなユースケースの創出も検討していく。
また、同法人では、同規格をベースにした新たな高速近接通信技術「TransferJet X」の策定を進める。「TransferJet X」搭載の機器が普及することで、従来のモバイルネットワークを補完し、かつ将来のモバイルトラフィック状況が改善されることが期待される。さらに、新しいアプリケーションやサービスの創出にも貢献していくとしている。
その他、「TransferJet X」に対応したSoC(System on a Chip)については、高速近接無線技術研究組合(東京都台東区)の組合員であるソニーセミコンダクタソリューションズ・日本無線が開発中であるとしている。