日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、2017年度から19年度にかけての半導体・FPD製造装置の需要予測を発表した。半導体製造装置は、17年度の1兆7363億円から18年度は1兆8231億円、19年度には1兆8778億円と堅調に拡大。FPD製造装置は、17年度5300億円、18年度5400億円と伸長するが、19年度は前年度まで続いた積極投資の反動で4500億円と減速する見込みを示した。
17-19年の半導体・FPD市場見通し
IMFの調査によると、17年度から19年度までの3年間の世界経済成長率は、2年連続の減速から回復して17年は3.5%増となり、18年度、19年度も成長速度を増すとしている。
半導体のアプリケーションとしても、スマートフォンの機能向上、メモリやプロセッサの高性能化が進み、またストレージ関連でもSSDの急拡大によって3D NANDの需要増加につながっている。IoTやAI、自動運転などもあり期待が大きい。WSTSは、世界の半導体市場も17年は前年比11.5%増が見込まれ、なかでもメモリが30%以上の伸びとなり、市場のけん引役になるとしている。
設備投資に関しても17年は拡大基調で、3D NAND向けを中心にメモリ投資が拡大し、またファウンドリやロジックメーカの先端投資やOSATの投資継続を見込む。18年も勢いは続き、19年は中国の本格投資を見込み、IoTやAI、自動運転などでも半導体需要が拡大し、設備投資も幅が広がるだろうと予測している。
FPD産業は、数量はスマートフォン、面積ではテレビがけん引。車載用途も期待。設備投資は中国と韓国が中心で、17年度は有機ELディスプレイ向けの第6世代と、中国市場のテレビ向けの第8世代が活況。18年以降は、中国の大型パネル向け10.5世代の投資が見込まれている。
日本製半導体製造装置・FPD製造装置の需要予測
17年度は全体で10.6%増の2兆2663億円と予測。18年度も堅調に進み、4.5%増の2兆3631億円、19年度はFPD製造装置が調整局面に入り、全体では1.5%減の2兆3278億円と見ている。
日本製半導体製造装置は、17年度はファウンドリやロジックメーカの投資継続、3D NAND向け投資、DRAM向け投資により11%増の1兆7363億円となり、18年度も5%増の1兆8231億円、19年度は中国投資や装置需要の拡大を期待して3%増の1兆8778億円を見込む。
日本製FPD製造装置は、17年度は韓国での中小型OLED投資と中国市場での大型パネル向け投資があり9.1%増の5300億円を見込む。18年度も1.9%増の5400億円と予測。しかし19年度は、中小型パネル向け投資がひと段落し、16.7%減の4500億円と見込んでいる。