組込み・IoT最新技術が集結
6つのキーワードで発信
最先端の組込み技術、IoT技術にフォーカスした総合技術展示会「Embedded Technology West 2017/組込み総合技術展 関西」(ET West)、「IoT Technology West 2017/IoT総合技術展 関西」(主催=組込みシステム技術協会)が、7月12日・13日の両日、グランフロント大阪のコングレコンベンションセンターで開催される。開場時間は午前10時~午後5時、入場料1000円(招待状持参者、Webでの来場事前登録者は無料)。
すべての人・モノ・コトがつながるIoT時代を迎えた今、組込み技術の重要性と将来への期待は、ますます高まっている。同展は、これからの成長分野を支えていく重要な技術にフォーカスした、ET West展とIoT Technology West展を同時開催することで、自動車、医療、インフラなど、あらゆる産業で求められている双方の最先端テクノロジーとソリューションを提案する場とし、シナジー効果を創出する。
今回は112社・団体(179小間)が出展する。前回は6700人超が来場した。来場者の4割が製造業従事者で、そのうち「電気機器・総合電機メーカー」が最多。次に「制御機器・精密機器・産業機械」「印刷」となっている。職種はハード・ソフト・システムなどの「製品開発・設計・研究・企画」が全体の半分以上を占め、目的意識の高い来場者が集う、具体的な商談ができる展示会として、今回も盛況が期待されている。
今回の展示でキーワードとして取り上げる重点テーマは、「組込みAI」「スマートセンシング」「IoT無線技術」「セーフティ&セキュリティ」「インダストリー4.0」「FA」の6テーマ。これらのキーワードを背景に、組込みからエッジコンピューティングまで網羅した展示会として、最新トレンドを発信する。
ET West展では、CPU/MCU、映像・画像処理技術、SoC、ASSP/ASIC、メモリモジュール、SSD、IPコア、アナログIC、パワー半導体、有線/無線ネットワーク、通信インタフェース、組込みプラットフォーム、ボード・コンピュータ、タッチパネル・ディスプレイなどのハードウェア・ソリューション、リアルタイムOS、組込みLinux、デバイスドライバ、ファームウェア、ミドルウェア、組込みデータベース、セキュリティ関連などのソフトウェア・ソリューション、開発環境・ツール、インテグレーション、デザインサービスなどに関わる製品・サービスを展示。
IoT Technology West展では、IoT向け半導体デバイス、各種センサネットワーク/M2M技術、遠隔監視・制御システム、ワイヤレスネットワーク(Wi-SUN、Wi-FI、Bluetooth、Zigbee、NFCなど)、ITS関連システム(車載ネットワーク、交通管理システムなど)、データ分析・解析技術、セキュリティ/認証技術、各種認証取得サービス(無線認証など)などの製品・サービスが紹介される。
注目は、自動運転やディープラーニングの応用事例を持つスケーラブルRTOSや実績豊富なTRONベースRTOSに加え、機能安全、ROS、テスト自動化、スマートエネルギーなどをテーマとしたデモ展示(イーソルグループ)や、水をかけても操作できる、独自の静電容量タッチパネル付き液晶ディスプレイなどの展示(ノリタケ伊勢電子)。また、ブラック・ダック・ソフトウェアは、今回が関西の展示会初出展となる。
そのほか、大学など研究機関と産業界との連携推進を目的に、「ユニバーシティパビリオン」を設置。京都大学大学院や大阪電気通信大学大学院、奈良工業高専、立命館大学、名古屋大学大学院などが研究成果を発表する。
「自動車機能安全」で講演も
厳選したテーマで最新情報を発信する専門カンファレンスも充実している。
基調講演では、三菱電機、東京理科大学、ローソン、ファナックなど、産学の各分野から講演者を招き、組込み業界として注目される応用テーマの技術動向、将来展望について解説。特別講演では、12日午後3時30分から日産自動車電子アーキテクチャ開発部の岡田学氏が「自動車機能安全開発へのSTAMP/STPAの適用事例 どのように使えば有効か?」を、13日午後3時30分から名古屋大学の高田広章教授が「IoT時代の到来に向けた安全・安心な社会の構築への取り組み『つながる世界の開発指針』の概要とIoT高信頼化機能の紹介」を、それぞれ講演する。
製造業は今、インダストリー4.0、スマート工場といったキーワードのもと、IoT化による業務改革に向けすでに先進の活用事例も見られ始めている。一方で導入する企業においては、どう活かせばいいのか、どのように進めていけばいいのかといった課題も見受けられる。
インダストリー4.0、FAに関連したカンファレンスとして、13日午前9時30分から「ファナックが考えるIoT時代に対応したこれからのものづくり』と題し、ファナック取締役専務執行役員稲葉清典氏と、「製造業のデジタルトランスフォーメーション コネクテッド ファクトリーのその先へ」と題し、シスコシステムズ専務執行役員鈴木和洋氏がそれぞれ講演する。
また、「ヒートアップセッション」の「ETロボコン(ETソフトウェアデザインロボットコンテスト)のロボットはこんな感じで動かしているんです」では、実際の競技コースを用意し、ソースコードの簡単な解説やコードを変更するとどのように動作が変化するかを、走行体(ロボット)を動かしながら解説。16年の関西地区大会で使用した競技内容の一部を実際に走行させ、難所攻略のデモを披露する。
そのほか、主催者である組込みシステム技術協会(JASA)が、技術・育成をテーマにセミナーを開催するほか、旬の技術テーマを取り上げ、技術者を対象にじっくり解説する「テクニカルセッション」、マルチ・メニーコア利活用のための専門セミナー「組込みマルチコアサミット2017 West」、情報処理推進機構(IPA)の事業成果や最新情報を紹介する専門セミナー、出展社セミナーなどが行われる。