シュナイダーエレクトリックのグループ会社であるデジタルは、拡張現実(AR)技術により生産現場での保守作業を効率化し、人的ミスを削減するソリューション「EcoStruxure Augmented Operator Advisor(シュナイダーARアドバイザー)」を8月から発売する。
工場における保全業務では、メンテナンス時間の約50%が、故障原因の追究や対処法を知るためのマニュアルや指示書、図面などからの情報検索に費やされている。故障の原因の約50%が人的ミスとも言われ、これらの問題解決が保守業務の効率化の鍵を握る。
同ソリューションは、AR技術でタブレットに映し出されたリアルタイムの映像・データと仮想オブジェクトを設備や機器に重ね合わせることで、作業者は必要な情報にすぐたどり着ける。異常が発生した機器の特定も容易で、直感的に対処が可能。技術的な訓練を受けていない巡回員や、熟練技術者以外でも、異常の発見や原因の特定、回復のための処置の確認が容易にでき、保守作業のノウハウを標準化することにより、人的ミスを削減できる。
システムは、HMIがサーバーとして、タブレットと接続。HMIは製造現場のデータベースやPLCとつながっており、マニュアルや指示書、図面等を簡単にアクセスすることができる。
例えば、制御盤の扉は、機器を停止または権限保有者しか開けられなくなっているが、同ソリューションを使えば制御盤にタブレットをかざすだけで内部の状況を見ることができ、故障箇所の特定やその対処法などにすぐアクセスすることができる。
同ソリューションはすでにカリモク家具で試験導入されており、多種多様な装置の保守メンテナンスや制御機器の故障発生時の原因追究に活用されている。