画像処理、ソフトPLCに注力
リンクス(横浜市青葉区)は7月5日、新事業戦略を発表した。工場におけるインダストリアルIoT(IIoT)分野の強化、アジア市場への展開、工場外のスマートソサエティーへのIIoTの展開の3項目に注力し、2021年に現在の3倍の売り上げと社員数を目標とすることを明らかにした。
同社は、世界のハイテク技術を日本国内で展開する技術商社で、特に画像処理関連製品に強みを持つ。制御関連でも3S社のソフトPLC「CODESYS(コデシス)」を取り扱っている。
新事業戦略では、17年にはIIoTを一層強化し、FA領域に事業をシフト。画像処理では、カメラの新機軸としてハイパースペクトルカメラを投入。光の波長を解析することで物質を特定でき、これまでのサーモカメラや3Dカメラ等とは異なる検査が可能な製品で、民生用の小型・低価格製品を展開していく。
制御関連でもソフトPLCの普及に力を入れる。すでに世界の大手PLC、コントローラメーカでCODESYSは採用されており、CODESYSをベースとすることで、よりつながりやすく、メンテナンスや管理のしやすさを高めることができる。その特徴を生かし、つながる工場の実現を推進していく。また将来的にはクラウド上で制御を行うクラウドPLCなどにも挑戦していきたいとしている。
アジア市場への展開では、3月に買収したシンガポールの画像処理商社Ultravisionを、9月1日付でリンクスシンガポールに改組。同社が東南アジア市場の橋頭堡として活動し、20年までに売り上げ3倍、社員数3倍を目指す。
さらに、20年には工場外に飛び出し、スマートソサエティー分野の事業拡大を狙う。具体的には、自動運転やドローン、自動走行ロボットなどで画像処理、特に瞬時に距離計測ができるToF(Time Of Flight)スキャナの市場が拡大すると見られており、それらの分野への製品・技術展開を進めるとしている。