FA市場が好調に推移している。半導体や自動車関連が大きく牽引し、社会インフラ関連も貢献している。上場企業の2018年3月期第1四半期決算発表が始まろうとしているが、2桁の増収増益を達成する企業の続出が予想される。この状況は最低でも2020年の東京オリンピックまで続くとする強気の見方も出ている。
人手不足と人件費上昇も
日本電気制御機器工業会(NECA)の17年度第1四半期出荷額は、約1840億円で前年同期比約120%となっている。この出荷額は年度ベースに直すと約7300億円超と過去最高を大きく上回ることになる。製品別ではほぼすべてで2桁の伸長となっており、とくにPLC、センサの伸びが著しい。
日本電機工業会(JEMA)の汎用電機機器の生産も、17年4月、5月とも2桁の伸長となっており、中でも4月のPLC生産は139.8%と驚異的な伸びとなっている。
こうした好調な市場を牽引しているのは半導体と自動車関連の貢献が大きい。
半導体は旺盛なスマホや画像センサ関連での旺盛な需要が継続しており、半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置の活発な引き合いとなっている。PLCでは、生産部品の調達が追いつかず納期が長くなる事象も発生している。
また、こうした好調業種に優先的に製品や部品が回されることによって、FA以外の分野では資材が調達できないことで、納品できず、売り上げが前年同期を下回るところが出るなど、皮肉な現象も見られる。
さらに、人手不足と人件費高騰などで、国内外で生産への自動化投資が継続している。とりわけ中国では若者の製造業への就職を敬遠する傾向も加わり、ロボットなどの自動化装置の導入が意欲的に取り組まれている。
ロボット需要の増加で、サーボモータ、アクチュエータ、センサ、コネクタなどのロボット構成部品の生産も伸びて、売り上げ増を支えている。
今後、車の自動運転やEV(電気自動車)の普及、社会インフラ整備などで半導体需要は飛躍的に増えることが予想されている。
日本半導体製造装置協会(SEAJ)の予測では、日本製半導体・FPD製造装置の需要は18年度に2兆3631億円と過去最高を更新すると見ている。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてさらなる投資継続が予想され、今後4年間がこの状況が続くという見方もあり、しばらくは納期を気にしながらの生産・販売となりそうだ。