SIを核に、より加速へ
2015年1月に日本政府として方針をまとめた「ロボット新戦略」。2年半たっての成果はどうだったのか? 内閣府や経産省など主要各省が総括した。
ものづくり分野が2020年に目指すべき姿として、組み立てプロセスのロボット化率を大企業で25%、中小企業で10%。次世代のロボット活用ベストプラクティスを30例つくり、相互運用可能なハードウェアを1000製品以上、システムインテグレータ(SI)事業に係る市場規模拡大すると設定した。
そのためのステップとして、部品組み立てや食品加工など労働集約的な製造業を中心とし、特に準備工程でのロボット活用を目指すことを中心に据えた。ユーザとメーカーをつなぐSIの育成と、ロボットのハードとソフトの標準モジュール化、OSなど共通基盤の整備も合わせて重点分野に設定した。
現状の取り組みについて、ロボット導入実証事業に補助金を付け、導入事例66件、FS28件を採択し、生産性向上などの実証結果を公表。ベストプラクティスの収集・公表を進め、導入実証事業の成果195件を整理して公表するなどを行った。また技術開発に対しても、ユーザーニーズや市場化出口を明確にした技術開発を実施したほか、規制改革についてもシステムインテグレートのための導入手順を明確化し、協働ロボットに関する80W規制を実施した。
今後の取り組みについては、システムインテグレートのプロセスやスキル標準を開発し、導入支援ツールに落とし込む。SIの育成を促進し、現状の1.5万人から3万人の倍増を目指す。ロボット導入実証事業は継続し、SIプロセス標準を試験的に導入して加速するほか、SIを核として食品・化粧品・医薬品産業や中小企業に横展開する。
技術開発に関しては、小型汎用プラットフォームロボットの開発を行うとしている。