NKKスイッチズは、2017年4月~21年3月までの4年間の中期経営計画「Change 100」をスタートさせている。最終年度には、売上高100億円、連結営業利益10億円達成を目指しており、その中核は「グローバル化対応」と「勝てる武器の創造」を挙げている。大橋智成社長に取り組みを聞いた。
——今年3月までの中計「Accomplish 100」の成果はいかがでしたか。
「14年4月に日本開閉器工業から新社名への変更と合わせてスタートした計画であったが、達成できたものもあれば、できなかったものもある。グローバル企業を目指した新社名の中で、新たなカタログディストリビューターとの契約、中国のEC(電子商取引)最大手アリババとのEコマース開始や、中国での物流センター開設、フィリピン工場の建設などを行うことができ、会社は変われたと思う。一方で、できなかったこともあり、今年からの中計により、本気になって変わっていこうと考えている」
——「Change 100」ではどのように変わろうとしていますか。
「当社の創業の頃はモノの無い時代であったことから、お客さんの方から買いに来てくれると先代社長はおしゃっていた。しかし、その後モノ余り時代に入り、良いものを作ったからといっても必ず買ってくれるとは限らない時代になりつつある。そのため、企業としてのビジネスモデルをスイッチ単体(単品)からソリューションビジネスに変えていかなければならないと感じている」
——具体的にはどう取り組みますか。
「5つあり、1つが『モノ売り』から『コト売り』への変革で、それが前述のソリューションビジネスで、価格競争に巻き込まれないモデルの確立である。2つ目は真のマーケットイン製品の提案、3つ目は売れる新製品の開発・投入、4つ目は安心・安全の確立、5つ目が原価の低減である」
——タッチパネルスイッチへの取り組みを強めていますが、これもソリューションビジネスの強化ですか。
「スマホ、タブレットPCなどに代表されるようにタッチパネルの用途は拡大している。それもスムーズな操作感覚が求められている。タッチパネルスイッチは、LCD、基板、OS、アプリケーションソフトなどが組み合わされることで価値が出てくる。当社としては、パートナー企業と協力して、ユーザーの悩みなどをお聞きしながら多品種少量でも社内で一貫して生産に対応できる体制を確立している。今後、タッチパネルの売り上げを全体の10%ぐらいまで高めたい。さらに通常のスイッチでも、単体でなく基板周辺も含めた提案や、コンピュータとしてパネルとしての提案など、ユニットビジネスとしての展開を強めていく」
——今後のスイッチ市場についてどうみていますか。
「国内外でもまだ伸ばす市場が多く、チャンスがある。スイッチをたくさん使っているところ、スイッチを必要とされるところに、品質、堅牢性などの技術をポイントに市場を深堀していこうと思う。現在、建機、医療などグローバル特定市場に重点において開拓を進めている」
——品質管理では新たに品質情報一元化システムが各工場で稼動しましたが。
「昨年11月に導入した。バーコードにより作業指示がされ、正しい工程で作業して品質を確保しないと次の工程に進めない仕組みになっており、安定した品質を確保できる。NKKの品質ブランドを維持する有力な方法である思う」