環境規制・省エネ追い風
矢野経済研究所(東京都中野区)の調査によると、2017年のパワーモジュール世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比8.5%増の40億9000万ドルになると予測される。15年後半からの需要低迷が16年前半も継続していたが、16年後半から17年にかけて回復基調に転じ、17年前半が好調であることから、通年で見るとプラス成長になる可能性が高いとみられる。
15年後半から16年前半、中国向けパワーモジュールの需要が落ち込み、とくに産業機器や白物家電向けの出荷が低迷していたが、16年後半から17年前半にかけて中国市場の需要は復調。一方で自動車向け、新エネルギー向けパワーモジュールは15年、16年ともに堅調に推移。自動車分野はハイブリッド車および電気自動車の販売拡大、新エネルギー分野は再生可能エネルギー需要を受け、太陽光発電、風力発電ともに単年度の新規年間導入量が大幅な増加傾向にあり、両分野ともにパワーモジュールの出荷数量が順調に伸びている。17年はプラス成長になると考えられる。
パワーモジュールの世界市場規模は15年から20年までの年平均成長率(CAGR)9.1%で推移し、20年には58億4000万ドルに達する予測で、とくに環境規制・低燃費を追い風にPHV、EVの販売台数拡大が見込める自動車分野、新興国市場における普及拡大が進む白物家電分野が市場を牽引するとみられる。数量ベースでは主要需要分野の好調さを背景に、20年におけるパワーモジュールの世界需要規模は、15年の1億2578万9000個から2億1056万2000個と、大きく成長すると予測される。