本多通信工業は、車載カメラ用コネクタの増産のため、中国・深圳工場に全自動ラインを導入し、生産量を2020年までに現在の2倍の年間2000万個体制を確立する。車載カメラは、バックビューやアラウンドビューなどの駐車アシストに加え、ADAS(先進運転支援システム)の実現に向けて急速に普及している。
同社の車載カメラ用コネクタの基幹部品は、安曇野工場(長野県)、深圳工場のほか、中国・青島、上海、ラオスなどのパートナー会社などで、16年度に年間1000万個生産している。
しかし、今後の市場拡大を見据え、全自動組み立てラインを18年初頭の稼働を目指して導入する。新ラインは、端子封入から検査までの全11工程を一気通貫で行え、複数品目の生産にも対応できる。また、バーコードシステムの導入で、トレーサビリティなどの品質モニタリング体制も確立しており、自動車向けの品質システム「IATF16949」認証にも備えている。
これらにより、現在従業員約600人の深圳工場の1人当たりの生産性が2.6倍に向上するなど、コストダウンにもつながる。投資額は3億円。なお、BCPの観点から「China+1」として、ASEAN地域に新たな生産拠点開設も検討している。
同社は、15年~20年までの中期計画「GC20」の完遂に向けて現在取り組んでいる。16年度の売上高172億円のうち、車載事業は35%の60億円となっているが、20年度には売上高250億円のうち、車載は40%の100億円を計画している。