シュナイダーエレクトリックは8月23日、日本におけるFA領域への事業強化に関する戦略発表会を行った。これまで日本では、ビルやインフラ、データセンター等へのエネルギーマネジメントや電源等の事業に注力し、FA領域ではデジタルが展開するHMI「Pro-face」だけだったが、IoTやスマートファクトリー等への関心の高まりを背景に、今後はサーボモータやPLC、汎用インバータなども市場に投入し、事業を拡大していくことを強調した。
新商材に対する販売戦略として3つを設定。1つは、同社のグローバルネットワークを背景に、日本企業が海外に展開する際のパートナーとしての提案。100カ国を超える海外でのサポート体制や製品の各種国際規格への対応を武器として、輸出比率20%以上の上場企業など600社をターゲットとして見込んでいる。
2つ目はすでに200万台の実績があるプログラマブル表示器のトップブランドである「Pro-face」とのシナジーで既存顧客への販売を強化。800以上のプロトコロルをサポートし、メーカー問わずつながる接続性を活かし、PLCやモータドライバーなど制御系をはじめ、センサや温調計、電源などの販売につなげ、さらにSCADAやWonderwareをはじめとするソフトウェア等との融合によるトータルオートメーションを提案していく。
3つ目は装置メーカーを対象に、ターゲット分野を絞ってソリューションを展開する。包装機、搬送機、加工機、ホイスト、ポンプ、空調冷凍を対象とし、同社の産業向けのIoTプラットフォームとその製品群である「EcoStruxure(エコストラクチャ)」を使い、各分野の課題解決に向けたアプローチを進める。2017年に製品を拡充し、18年から社内の専任技術者5人と外部パートナー5社で「マシンソリューション」という形でソリューション展開を行っていく。
同社インダストリー事業部勝村友一バイスプレジデントの談話
「HMIの市場規模は300億円あり、すでに大部分のシェアを当社は占めている。しかし、ACサーボモータ・ドライブやPLC、汎用インバータは600~1200億円と大きな市場があるが、これまで一切タッチしていなかった。今後はこの分野への製品提供を目指し、成長していく。近年、IoTやスマートファクトリーなどが充実し、当社のインダストリー向けプラットフォーム『EcoStruxure』を軸にした製品を顧客に提供していきたい」。