東芝は、府中事業所内に「水素エネルギー利活用センター」を開所した。同センターは、事業所向けの地産地消型水素供給システム「H2One」として設計されており、今後、「H2One」の営業活動の拠点として活用。同システムの工場、物流拠点、空港等への納入を目指す。
同センターは、太陽光発電による電力から水素を製造し、圧縮・蓄圧して、事業所内で運用する燃料電池フォークリフトに充填する施設で、東京都の「事業所向け再生可能エネルギー由来水素活用設備導入促進事業」の採択を受けて2016年11月に着工。燃料電池フォークリフトは、稼働時にCO2を排出しないほか、再生可能エネルギー由来の水素を燃料にしているため、一貫したCO2フリーを実現する。また、水素の充填時間も3分程度と高い利便性があるため、工場や物流拠点、空港といった産業分野における普及が期待される。
「H2One」は、同社独自の水素エネルギーマネジメントシステム「H2EMS」により、電力を安定的に供給できるCO2フリーの自立型水素エネルギー供給システムで、事業所向けの「H2One」には、車両用の「水素需要予測アルゴリズム」を新たに搭載。同アルゴリズムは、燃料電池車側の需要を予測することで水素の製造・圧縮量を最適に管理し、車両の水素充填ニーズに対応するとともに、事業所全体の水素貯蔵量を低減するなど省スペース化にも貢献する。