経産省 日本版インダストリー4.0 注力5分野が決定 現場力で人材不足解消

経済産業省は、日本版インダストリー4.0とも言える「Connected Industries(コネクテッドインダストリーズ)」について、注力5分野と今後の進め方が決定した。ものづくり・ロボット分野はロボット革命イニシアティブが主体となって進め、現場力を生かしたソリューションや人材不足の解消に向けて、これまでの動きをさらに加速していく。

RRI中心になり推進

コネクテッドインダストリーズは、既存産業とデジタル技術の「つながり」をはじめとして、機械、データ、技術、ヒト、組織などさまざまなもののつながりによって新たな付加価値の創出や社会課題の解決を目指す活動のこと。8月31日の大臣懇談会で注力する5分野が決まった。5分野とは、「自動走行・モビリティサービス」「ものづくり・ロボティクス」「バイオ・素材」「プラント・インフラ保安」「スマートライフ」。市場成長性と日本の強みを勘案して選定された。

「ものづくり・ロボティクス」は、生産の全体最適・止まらない工場・事故や環境負荷の低減を目指し、ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)が主体となって進めていく。

この分野には、製造業のサービス化のような日本の強みを生かした価値創出と、国内の人手不足の解消という課題に直面している。日本には機械系メーカーを中心に、グローバル競争力のある企業が多数存在し、高い技術力と現場力という優位性がある。それを生かし、人間本位の考え方で社会や顧客の課題を解決するようなソリューションの提供によって上記の課題を解決していく必要があるとしている。

今後は、RRIの活動を通じ、国際標準化やサイバーセキュリティなどの協調領域の最大化に向け、主要企業の経営トップを中心に議論し深化させる。またデジタル人材の育成にも取り組んでいくとしている。

ほか4分野については、自動走行・モビリティサービスは、自動走行ビジネス検討会を主体とし、実証実験を拡充してデータ共有を進める。バイオ・素材は、産業競争力懇談会や日本化学協会などが中心となり、バイオ素材の市場拡大を進める。プラント・インフラ保安は、プラントデータ活用等促進会議を主体とし、保安エコシステムを構築していく。スマートライフは、IoT推進コンソーシアムを中心に、データ連携と企業間アライアンス、協調領域の整理などを行っていくとしている。

コネクテッドインダストリーズの今後のスケジュールは、10月1日からはじまるCEATEC2017で政府と産業界のアクションプランを正式に発表。11月30日のロボット革命イニシアティブ協議会の国際シンポジウムで世界に向けて発信。それと同時並行で9月から来年3月にかけて分科会を実施し、分野ごとの検討と具体化を進める。

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