CKD日機電装(川崎市宮前区)のDD(ダイレクト・ドライブ)サーボモータの生産が急増している。約1年半前の2016年4月に比べ、現在の生産量は約2倍になっており、さらに2018年3月までに1.5倍に増やし、2年間で3倍に高める計画だ。
同社は1967年に日機電装として創業し、今年で50周年を迎えた。今年4月にCKDグループに入り、6月からは現社名に変えている。
現在、売り上げの50%を占めるDDサーボモータをはじめ、各種リニアサーボモータ、ACサーボモータ、およびサーボドライバー・コントローラを生産している。中でもDDサーボモータでは、業界トップの実績を有し、CKDと合わせると国内はもとより、海外でもトップシェアを見込んでいる。
DDサーボモータ市場は、半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)やスマホ関連市場、自動車関連の生産拡大が寄与し伸長を続けているが、同社はCKDの販売分も加わることで、さらに繁忙を極めている。
「DDサーボモータの生産は多品種・短納期が求められる一方、手作りの部分も多く、ロボットなどでの自動化生産も難しい」(荒木澄製造部長)。
同社は1台で全加工が完結できる複合加工機などを駆使して生産を強化する一方、CKDグループ入りを機に、生産方法をライン生産からセル生産に切り替えはじめている。
まず、小型タイプの生産で、11の組み立て工程を一人で担当することで「ライン生産でのムダが解消され、生産性アップにつながってきている。セル生産は海外生産移管などにも容易に対応が可能になってくる」(荒木部長)という。
同社はDDサーボモータを2001年に販売を開始し、現在「τ(タウ)シリーズ」として、ディスク、ⅰDロール(シリンダ)、リニア、サーボコンパスなどの方式が完備している。今後、セル生産を中型や大型タイプにも広げるとともに、より大きく、より速く動かせるDDサーボモータの開発に向けて、マグネットや巻き線などの工夫に取り組む。
川村茂代表取締役社長は「CKDとのグループ化で、1プラス1が3以上の効果につなげていく。市場のトレンドを読めない難しい時代であるが、従来からの大手のユーザに入り込んでの顧客密着型のスタイルはこれからも継承して取り組んでいきたい」と語っている。