横河電機は、ハイスループット細胞機能探索システム「CellVoyager(セルボイジャー)」の機能を強化した「CellVoyager CV8000」を、9月5日から発売した。価格は7700万円から、海外を含め2018年度12台の販売を目指す。
「CellVoyager」は、対象細胞の顕微鏡画像データから、個々の細胞内の経時変化を複数のパラメータにより解析する、高精度で客観的なスクリーニング手法であるハイコンテントアナリシス(HCA)を採用したHCAシステムで、細胞を生きたままリアルタイムに観察できる共焦点スキャナユニット、多数のサンプルを高速に観察するため半導体や液晶製造装置などに向けて開発した精密位置決め技術による駆動機構で構成されている。
今回の機能強化では、システム内の細胞培養スペースの密閉性を向上。インキュべータ内の二酸化炭素濃度を均一化し、プレート上の細胞をより均一な環境で培養することで、細胞の活発な活動を長時間持続させることに成功している。
また、画像解析ソフトウエア「CellPathfinder(セルパスファインダー)」をラインアップに追加。機械学習によるパターン認識機能で、非染色細胞を撮影した明視野顕微鏡による画像の認識・解析を行うことができるうえ、今回新たに開発した機能を用いて可視化した画像を解析し、細胞増殖の経時変化などを正確に把握できるようになる。さらに、生体内に近い立体的な構造を持つ細胞の挙動観察のニーズに対応して3次元画像解析機能も搭載。この機能により、体積や表面積、細胞の位置情報を簡単に定量化する。
そのほか、従来製品と比べ、搭載可能なカメラ数を3台から4台、投射可能なレーザーの波長を4種類から5種類に増加しながら、約4割の小型化と約2割の軽量化を実現している。