日東工業は、主力の菊川工場(静岡県菊川市)内に、ゲリラ豪雨の雨量、台風の風速、大地震の波形などを再現できる設備を導入した新試験棟「風雨・耐震試験棟」を完成、9月13日から稼働を開始した。
屋外の監視カメラ、携帯基地局などの電源、情報通信機器を収納するキャビネット、システムラックには、ゲリラ豪雨、強風、地震などの過酷な自然環境に耐える性能が要求されている。
そこで、同社では新試験棟を完成、自然環境に近い試験を実施することで、製品の性能向上に結び付けることにした。
新試験棟は、4階建てで建築面積は約1280平方メートル、投資金額は試験設備を含めて約20億円。
「風雨試験設備」は業界初の大規模な設備で、最大風速60メートル/秒、最大降雨量300ミリメートル/時までの強風や豪雨を同時に再現、製品の耐風圧性能や防水性能に対する影響評価を行う。「3軸耐震試験設備」は、熊本地震などの直下型地震・首都直下型地震を想定した波形、正弦波、ランダム波などの各種試験波形の再現が可能。X軸3G、Y軸2G、Z軸2Gの最大加速度を再現、情報通信ラックなどに要求される各種耐震試験規格にも対応。
920トンの浮き基礎を空気ばねで浮上させ、ダンパーにより振動を吸収、振動が周囲に伝わることを防ぐ防振装置も備える。