昨今、爆発火災事故が増加している。背景には設備の老朽化が進んでいることに加え、設備の維持管理するベテラン実務経験者がリタイアすることなどにより、メンテナンス面で知識不足などがあるといわれている。このため、防爆電気機器へ正しく対応できる実務者育成の重要性が高まっている。
日本電気制御機器工業会(NECA)と日本認証(JC、大阪市淀川区)では、2011年から防爆電気機器安全資格認証制度「セーフティベーシックアセッサ(SBA-Ex)」をスタートさせ、防爆電気機器の正しい基礎知識を習得した人に資格を与えている。今年で6年目を迎えたが、4月現在で259社1215人の資格取得者が誕生している。機器メーカーやエンジニアリングメーカーを中心に海外でも資格者が増えている。
最近は、無線LANを使用したタブレッドパソコンなどのIT機器を爆発危険場所で使用して、管理センターなどと通信することで省力化するところが増えている。
爆発危険場所には防爆構造電気機器の設置が義務付けられており、防爆電気機器も国内の検定試験合格品の使用が定められているが、設置工事などは誰でもできる。
SBA-Exは、危険場所の判定、防爆電気機器の構造といった基礎知識をIEC60079-17に基づいて習得することで、防爆電気機器を使用する現場設備の安全確保と運用ができる人材育成を目指している。
資格取得には、1日間の防爆電気機器安全講習会と学科試験を受けて合格する必要がある。試験は年2回の定期試験と企業向けに団体試験も行っている。
JCでは「IT機器の普及でIT企業でも資格取得を推奨している。働き方改革の中で、防爆への取り組みが進むことを期待している」としている。