日本交通安全教育普及協会(JATRAS)は、交通事故を防止するために3DのCGを使って、実際の交通場面をリアルに再現できる「交通安全危険予測シミュレータ」を開発している。2015年に「歩行者編」を開発したのに続き、このほど第2弾として「自転車編」が完成した。
自転車編ではマコメ研究所(長野県蓑輪町)の磁気センサを使って、3DCGと組み合わせることでバーチャルリアリティを実用化した。
自転車編のシミュレータは、市販の20インチ自転車と4つのモニター画面(正面、左、右、後方)、パソコンで構成。スタンドで固定した自転車のハンドル前輪には、アブソリュートエンコーダを付けてハンドル操作を検知し、後輪には2個の磁気センサとリム部に等間隔で14個の磁石を貼り付けることで、自転車を漕いだ時の回転数を検知している。
自転車を漕ぐ回転数とモニター画面を連動させることで、実際の道路で自転車に乗って走っている周辺環境を再現するとともに、交差点での信号確認や一時停止、後方の安全確認などが体験できるようになっている。また、走行環境も、晴れ・雨・雪などの天候、昼・夜などの時刻、ライトの点灯有無、さらには、大きな道路、商店街、街の中などといった細かな条件設定も可能になっており、変化に富んだ体験ができる。
こうした条件を設定し、シミュレータでスタートからゴールまで走行体験すると、事故だけでなく、ヒヤリハットや違反件数までがカウントされ、安全走行するためのアドバイスも表示される。
自転車シミュレータは8月から販売を開始し、既にイベントなどで活用されている。同協会では、本シミュレータで危険を予測しながら、疑似走行体験することで安全な自転車の乗り方を学んでほしいとしている。2018年には「自動車編」の開発も予定している。