人数を高精度に検出
オムロンは、人の数を高精度に検出するサーモパイル型人感センサーを日建設計(東京都千代田区)と共同開発し、東京電機大学(TDU)の東京千住キャンパス新校舎5号館に約1000台を納入した。
同センサーは、MEMS非接触温度センサーを内蔵。人からの放射温度を検出することで、3.6×3.6メートルの範囲にいる人の在・不在を16分割されたエリアごとに検知できる。
しかも、256画素の温度データから熱源をきめ細やかに捉えることで高精度な人数の把握が可能で、人の特徴点を捉えるアルゴリズムを搭載しており、さまざまな熱源に対し、それが人なのかOA機器などなのかを判別することで人数把握の精度を高めている。
同センサーを導入することで、照明の省エネ制御とともに、人数に応じた部屋の換気量の調整ができ、空調の省エネが可能になるほか、人の影響を除いた床の放射温度をセンシングすることで、人が快適と感じる最適な空調の温度が設定でき、省エネと快適の両立が実現できる。加えて、万一の災害時にも、在室者の位置と人数が把握できるため、防災力の向上にも役立つ。
TDUは「理工系大学トップクラスの省CO2エコキャンパス」を目指し、詳細なエネルギー消費量や設備機器の状態などの把握による省エネ活動に取り組んでおり、今回、新校舎のさらなる省エネの向上のために、新校舎の設計を担当する日建設計とオムロンが共同開発したサーモパイル型人感センサーの採用を決定した。なお、同センサーにおける関連技術について、オムロン、日建設計、TDUの3者による共願PATを出願する予定。